「わかっちゃいるけど、無駄使いをしてしまう」
そんな人は、お金の「Being」にフォーカスしよう!

お金無駄遣い

楢戸ひかる

前回、「家計改善の攻めどころ」をお伝えしました。「攻めどころ」がわかっていても、「わかっちゃいるけれど、やめられない!」、無駄遣いはあるものです。

お金の「Doing」と「Being」

「無駄遣いを、なかなかやめられない!」という人に、まず知って頂きたいのは、お金の「Doing」と「Being」という概念です。実は、人は自分で思っているほど、意味のない買い物(本当の意味での「無駄づかい」)はしない生き物です。

ここで、大切なことは、「無駄遣い」という「Doing」の下にある、「Being」、いわば「自分の本当の気持ち」に、まずは耳を傾けてみることです。

会社帰りにお菓子を買ってしまう!

具体例で、考えてみましょう。「無駄遣いをやめようと思っているのに、ついつい会社帰りにお菓子を買ってしまう」というのは、よくあるお金の悩みです。

Doingは、「コンビニでお菓子を買う」ですが、その奥には、「すごく疲れた」とか、「今日、仕事で嫌なことがあった」とか「そんな自分を癒したい」という感情=「Being」があるのではないでしょうか?

仮に、誰かに、「無駄遣いばっかりして!」と叱られるより、「そうだよね、嫌なことあったもんね」と寄り添ってもらった方が、ふっと気持ちが和みませんか? だったら、「そうだね、嫌なことあったもんね」と、まずは自分と会話をしてみて下さい。自分の気持ちに耳を傾ける、そう、これは自分自身を大切にする行動の話なんです。

「無駄遣い」の下にある感情に気がつく

実は、なかなか止められない無駄遣いの下には、今みたいに「嫌なことがあった」とか「寂しい」「不安だ」といった、根っこになる感情=「Being」があることが多いのです。まずは、お金の「Being」に気がついて、自分と会話をしてみましょう。

話を聴いてもらえれば「Being」は、落ち着きます。「Being」が落ち着いたら、Doingを、「お金のかからないもの」に置き換えしていきます。たとえば、先の例で言えば、「ゆっくりお風呂に入る」とか「お気に入りの録画しておいたドラマを観る」、もしかしたら、「15分早く退社する」でも良いのかもしれません。

あなたが止めたいと思っているお金の「Doing」は何ですか? 「Doing」の奥には、どんな「Being」があるでしょう? 自分の「Being」を感じ、その上にある「Doing」を、適切な方法(お金がかから ない方法)に、ゆっくりと行動改善していきましょう。

不安を先送りにしないことが大切

こんなふうに、「お金」と「感情」は、思っている以上に連動しています。そこを切り離すためには、自分と会話をすることが大切です。でも、忙しい 毎日、そんな時間は、なかなかとれませんよね。

「お金のことが不安」という方の多くは、「何となく不安だけれど、何が不安なのかがわからない」という漠然とした不安症候群の方々です。そういう方には、「何が不安なのか?」を、書き出してみることをお勧めしています。

なぜなら、不安と向き合わない限り、「何が不安かわからないけれど、不安だ」という状態が、ずっと続いたままだからです。不安は先送りにしない方が、心の健康に良さそうです。

「もしも」「万一」考えるだけで怖いことは、どうする?

そうは言っても、不安と向き合うのは誰しもが怖いものです。「老後の資金は貯金で賄えるのか」「子供が生まれたら教育資金は足りるのか」「大黒柱の夫に万が一があったら」「もしも、働けなくなったら」「万一、大病をして治療費がかさんだら」……。

でも、安心して下さい。「もしも」は、あなたの人生で、必ず起きると決まっているわけではないんです。「もしも」「万一」という、「必ず起きるとは決まっていないけれど、不安なこと」には、保険を上手く使えば良いのです。

保険は、少ない保険料で、万一のときに大きなお金が得られるお守りのような存在です。適切な保険に入っておくことは、漠然とした不安への確かな処方箋です。

そうは言っても、「保険」と聞くだけで、「難しい」と敬遠してしまう人が多いのも事実! 10人のうち9人は、「保険のことは難しい」と思っているのでは⁉ 次回は、保険について、知っておきたいポイントを2つお伝えします。

楢戸ひかる
ライター

「必要な情報を、必要な人に」。「人」と「情報」が繋がることを願い、執筆活動を続けている。
マネーライター歴は、20年超。家族は夫と男の子3人、吉祥寺在住。
令和スタイルの家族を探るサイト「主婦er」も運営中。

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